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2016年10月4日(火) ピンポンマム

今月前半のテーマ花材はピンポンマムです。

科 名 キク科 キク属(クリサンセマム属)多年草 
学 名 Chrysanthemum
英 名 pom pom mum
和 名 ピンポン菊、ポンポン菊
原産地 中国
花 期 晩秋~春先 
出回期 周年
水あげ 水切り、手折り、水折り
花 色 白、黄、橙、赤、ピンク、紫、グリーン、複色など
花の形態 マスフラワー

【名前の由来】
ピンポンマムという名前は、花の姿そのままを言い表してピンポン玉のように
丸く咲くマム(菊)という意味からピンポンマムと名付けられました。
マムは、菊の学名である「Chrysanthemum」を短く「mum」と呼ぶことからきています。

学名のChrysanthemumは、ギリシア語の「chrysos(黄金色)」と「anthemon(花)」が語源で、
この仲間には黄色い花が多いことから付けられたようです。

【歴史】
キクそのものは中国が原産です。
中国では古くからキクが栽培され、紀元前の孔子の書にも登場し、
また別の書では食用にしたとの記載があるそうです。

日本には、日本へは8~9世紀頃に伝わり、
平安時代以降に観賞用として栽培されるようになりました。
もともとは上流階級の間で楽しまれていましたが、
安土桃山時代から江戸時代にかけて庶民の間に普及し、たくさんの品種が生み出されたそうです。
江戸の頃には花径20㎝ほどの大輪の菊ができあがっていたといいます。

19世紀後半、欧米へと渡り独自の発展を遂げます。

日本で作られた品種を「和菊」、欧米で作られた品種を「洋菊」と大きく2つに分けられます。

現在では世界中にたくさんの菊の品種があり、
切り花やアレンジメント、鉢植え、花壇植えなど様々な方法で楽しまれていて、
本場の日本よりもむしろ欧米での方が評価が高く
バラ、カーネーションと並んで世界三大切花ともいわれるほど大きな存在になりました。

ピンポンマムも洋ギクの1つで、これはオランダで開発された品種だと言われています。

【花】
マムの花びらに見える一枚一枚は実は花で、
小さな花が多数集まってひとつの花をつくっている頭状花序で、キク科の花の特徴になります。
個々の花のことは小花(しょうか)とよび、
小花が集まって形成される全体を頭花または頭状花とよびます。

キク科の花の小花には花弁が筒状になった筒状花(または管状花ともいう)、
花弁の先端が片方に大きく伸びて広がった舌状花のふたつの形がありますが
ピンポンマムは筒状花のみで形成されています。

キクはいろいろな品種改良がすすんでいて、色も形も様々あります。
以前はキクというと仏花というイメージでしたが
今は華やかでゴージャスなものもや、可愛らしいものもあり、花束やアレンジにも使われます。
ピンポンマムは和装のウェディングブーケの花材としても人気があります。

まんまるのフォルムのピンポンマムで和モダンにアレンジします。
マムの魅力に気づくかたがたくさんいるような・・・予感♪


<POINT>
・花は色が鮮明で、葉は色が濃く張りがあり上の方まで付いているものを選ぶとよいです。
 (つぼみの場合は少し膨らんだ、がくの色がきれいなもの。)
・舌状花を持たないピンポンマムはとても長持ちします。
・葉が萎れてしまっている場合は、葉っぱ全体に水をかけた上で新聞に巻き水揚げすると復活します。
・基本的に秋~春先までがメインシーズンです。夏場~初秋は気温の影響で
 お花がとても小さい、形が整っていない、色があせているなど品質が充分でない傾向があります。


junko uji


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