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2012年5月7日(月) バラの歴史・山口
写真/モダンローズの第一号『ラ・フランス』

今月のテーマ花材はバラ。バラ科バラ属の種の総称です。
バラの歴史は古く、野生種のバラは3千万年も前に北半球の各地に分布していたことが分かっています。
原産地はヒマラヤの麓や渓谷あたりだといわれています。

古代ローマやギリシャではすでに人々に愛好され、
花はもちろん香料や薬、美術、文芸など多くの分野で際立った役割を演じてきました。

なかでもバラの発展に偉大な貢献を果たしたのが、ナポレオンの第一妃ジョセフィーヌといわれています。
ジョセフィーヌは1802年にマルメゾン宮殿に広大なバラ園を作り、
世界中のバラを収集し植栽させ、品種改良を行わせていました。
そしてこのバラ園の育種家のアンドレ・デュポンによって初の人工交配の技術が確立され、
のちの四季咲きバラの品種改良に多大な影響を与えました。
また品種の記録も忘れず、画家のピエール・ルドゥーテに『バラ図譜』★を描かせました。


その後1867年にフランスのギョーによって
現代バラの原型となる『ラ・フランス』が作出され、これがモダンローズの第一号となり、
ラ・フランス誕生以前のバラを『オールドローズ』、
それ以降のバラを『モダンローズ』と呼ぶようになりました。

オールドローズは一季咲きで、優雅な花形と豊かな香りが特徴で、
モダンローズは四季咲きで、多彩な花色が特徴です。
いま花屋などで見かけるバラ(切花)のほとんどはモダンローズになります!

また1970年代に入ると、イギリスの育種家デビット・オースチンによって、
オールドローズとモダンローズの良さを併せ持つ『イングリッシュローズ』が誕生しました。


 原種・作出時期による分類

〇ワイルドローズ・・原種、野生種ともいい野生のバラをさす。北半球に広く自生し、
          その地域の環境に合った形態と性質を持つ。
〇オールドローズ・・「ラ・フランス」以前に作出され栽培されていたアルバ、ガリカ、
          ダマスク、ケンティフォーリアなど、古典的でロマンティックな
          花姿と芳香を持つバラ。
〇モダンローズ・・・1867年フランスの育種家ギョーによって作出された
          ハイブリットティー系の第一号「ラ・フランス」【写真】
          以降に作り出された現代バラのこと。
〇イングリッシュローズ・・・
          1970年代にイギリスの育種家デビット・オースチン氏によって作出される。
          オールドローズの優しい花形や香りと
          モダンローズの四季咲き性を併せ持った新しいタイプのバラ。

naoko yamaguchi


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