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2016年9月1日(木) ワイルドフラワー

今月前半のテーマ花材はワイルドフラワーです。

ワイルドフラワーとは、南半球のオーストラリアや南アフリカなどの自然環境に自生する
その土地特有の野生の花の総称で「ネイティブフラワー」ともよばれています。

オーストラリア大陸は、他の大陸から独立した環境の中で独自の進化を遂げてきたため、
そこで育つ植物も独特な進化を遂げてきたものが多く、
人工的な品種改良などの手が加わっておらず、
可憐な花を咲かせるもの、野趣あふれるユニークな形をしたもの、
群生してフラワーカーペットのように一面を染め上げるものなどがあります。

オーストラリア大陸の中でも、
西オーストラリアは野生の花の宝庫で「ワイルドフラワーの州」と呼ばれ
日本とは逆の7月から11月頃(冬から春)の花の旬には、
12,000種ものワイルドフラワーが咲き乱れるそうです。
そしてその約8割が固有種といわれています。
(その数は、新しく発見される花があったり、
時には属や科が代わってしまうものがあるなど流動的で
はっきりとした総数が確定されていないとのこと)


【お花屋さんで見られるワイルドフラワー】
リューカデンドロン、ピンクッションフラワー、プロテア、バンクシア、カンガルーポー、
バーゼリア、ライスフラワー、シルバーブロニア、ワックスフラワー、クリスマスブッシュ、
ボローニア、セルリア、ユーカリ、アカシアなど


今回はレッスンで使用するリューカデンドロンとバンクシアをご紹介しますね。


◎リューカデンドロン

科 名 ヤマモガシ科 リューカデンドロン属 常緑樹 
学 名 Leucadendron 
英 名 Silver tree
和 名 銀葉樹
別 名 レウカデンドロン
原産地 南アフリカ
花 期 3〜4月
出回期 周年
水あげ 水切り、燃焼法
花 色 赤、緑、黄色、茶色、銀緑色、他
花の形態 フォームフラワー or マスフラワー

【名前の由来】
ギリシャ語で白という意味の「リュウカ」と木という「デンドロン」を組み合わせたもので
葉や茎が銀緑色の毛に被われたこの種の1種であるアージェンタム(銀葉樹)に由来します。

【歴史】
原産地の南アフリカで80種ほどが分布していますが、
現在、多くはニュージーランド、オーストラリアから輸入されていています。

【花】
高さ10メートルほどの高木から、30センチほどの低木までがあり、
茎の先端部の色付いた部分は苞葉(ほうよう)と呼ばれる部分で、その中に花があります。
雌雄異株で、雌花はが終わったあとその苞葉が木質化して花序全体が球果状になります。

<POINT>
・水揚げもよく、日持ちもし、ドライフラワーとしても楽しめます。
・茎の細いものは矯めをきかせることができます。



◎バンクシア

科 名 ヤマモガシ科 バンクシア属 常緑樹
学 名 Banksia 
英 名 Banksia
原産地 オーストラリア
花 期 12〜1月
出回期 周年
水あげ 水切り、燃焼法
花 色 赤、黄色、茶色、緑、銀緑色、白、橙、他
花の形態 フォームフラワー

【名前の由来】
キャプテン・クックの航海に同行していた、英国の植物学者ジョゼフ・バンクスに由来しています。

【花】
約70種がオーストラリアに分布し、そのうち60種が南西オーストラリアに分布します。
低木から25mの高さになる高木まで様々な形があり、
なかには茎を地上に出さず、地面から花を咲かせるものなどもあるそうです。

花は小さな花の集合で花序を作り、多い種は6,000個も付いているとのことです。
全体の形は球形や円錐、円筒状で蕾から開花までは、ゆっくりと花序が伸びるので数ヶ月かかります。
開花時は花柱が長く伸びブラシ状になり、
葉は変化に富み針状の物から鋸歯が発達した物、広くこの葉状の物まで様々です。

<POINT>
・水揚げもよく、日持ちもし、ドライフラワーとしても楽しめます。
・重みのある花なので活けるときのバランスに気をつけましょう。


独特な花姿と乾いた質感が個性的でユニークでなワイルドフラワー。
エネルギーを感じて大地のパワーをもらいましょう!


junko uji


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