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2016年11月8日(火) 野バラの実
今月前半のテーマ花材は野バラの実です。

科 名 バラ科 バラ属 つる性落葉低木
学 名 Rosa multiflora
英 名 Japanese rose  Eijitsu rose
別 名 野茨(ノイバラ)野薔薇(ノバラ)
原産地 日本、朝鮮半島
花 期 5~6月
出回期 8〜11月(実物として)
水揚げ 水切り
花の形態 ラインフラワー

【名前の由来】
山や野原など「野」に咲くこと、茎にトゲがある「茨」をもつことにちなんで、
野茨(ノイバラ)と名付けられました。
学名のRosa multiflora(ロサ・ムルティフロラ)のmultifloraは、
ラテン語で「多花種」を意味します。

【歴史】
野バラは昔、宇万良(うまら)と呼ばれ万葉集で歌われていて
これが日本の文学史上、もっとも古いバラといわれています。

【花】
沖縄以外の日本各地の山野に多く自生しています。
樹高1~3mに生長し、5~6月ごろの一季咲きで、花径2.5cm(花びらは5枚の一重咲き)ほどの
白い小さな花を房状に咲かせます。変異個体で淡いピンク色のものもあります。

実は9月下旬~10月初旬くらいに緑から赤くなり、フラワーアレンジや生け花でもよく使われ
ドライフラワーにもなるのでクリスマスリース花材としても人気です。
また、古くから営実(えいじつ)と呼ばれる生薬で、便秘薬や利尿薬として利用されるほか、
吹き出物にも効果があるとされ、化粧品の成分として活用されてきたそうです。

ちなみに美容や健康に効果がある「ローズヒップ」も野ばらの実ですが、
こちらはヨーロッパ産の野生のバラの実をいいます。

国内には10数種の野バラがあり、それが西洋に渡り、
今までになかった房咲き性の性質を導入するもとになった重要な原種の一つと言われています。
日本の園芸では、野バラ自体を楽しむために育てることあまりなく、
寒さ、暑さ、病気にも強い強健な性質から、バラの接ぎ木、苗の台木として利用されているそうです。

野趣あふれる野バラの実。
枝のラインを見るのがポイントです♪

<POINT>
・棘に注意してください。
・枝ぶりを生かしてバランスをとりながらアレンジしましょう。


junko uji


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