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2007年9月18日(火) 色について<前編>・古家
シックな色のバラにスモーキー・カラーの葉を添えて。

レッスンで使う花を仕入れるときなど
色合わせを考えるのが好きです。
デザインと同じくらい、“大切”だと思います。

以前、沖縄に旅をしたとき
南国ならではの赤やオレンジなどの色鮮やかな花や葉、
海の深さや太陽の微妙な当たり具合で変化をみせる“いろんな青”をみて
自然の豊かな色彩に心を動かされました。

そのときに知った名嘉睦稔さんという版画家の作品も
やはり色鮮やかな沖縄の自然や風景をイキイキと描いていて
沖縄に生まれ育った人ならではの鮮やかな色彩感覚だと感じました。
☆版画の黒い縁取りが、鮮やかな色彩をよりひきたてています。

後に観たある映画で彼はクロトンという表と裏で色の違う、
個性的で色彩豊かな葉っぱを手にして
「子供の頃から沖縄特有の鮮やかな色の植物や海を目にして
身近にあった自然から色を学ぶことができた」
といっていました。

自然といえば、ファッションデザイナーの森英恵さんも
「子供の頃に島根の田舎で育ったので、豊かな自然から
“緑”でも、いろんな緑の色があることを知ることができた。
デザイナーになったときも、緑といえば決して1色ではなく
子供の頃に目にしたいろんな緑を頭に浮かべることができた」
といっています。

もちろん、
都会で生まれ育った人でも素晴らしい色彩感覚をもった人はいます。
でも、森英恵さんや名嘉睦稔さんをはじめ、多くの芸術家が
自然からなにかを感じて学びとっているのは、とても興味深くて
おもしろいな〜って思うのです。

つづく

yoshimi furuya