blog

2015年6月23日(火) トクサ・古家
 今月後半のテーマ花材はトクサです

科 名  トクサ科 トクサ属 常緑 シダ植物
学 名  Equisetum hyemale
英 名  Horsetail、Scouring rush(訳/イグサを磨く)
和 名  砥草、木賊(いずれもトクサと読む)、歯磨草(はみがきぐさ)
原産地  北半球温帯
出回期  周年 旬 6~7月
水あげ  水切り 水あげがよく長保ち
特 徴  旬の季節は緑、晩秋〜冬〜春先は寒さで茶色く焼けていることもある

トクサという名前の由来は、茎を塩水でゆでて乾かしたものを研磨剤として使ってきたことから
「砥草/とぎぐさ」がトクサに転じたものといわれています。
高級なつげぐしの歯や漆器の木地加工、木製品を磨き仕上げる際に使われ、
クラリネットなど竹製のリード楽器を磨いて調整するのにも用いるそうです。
音楽家の滝廉太郎は、身だしなみに気を遣いトクサで爪を磨いていたといわれています。
「歯磨草/はみがきぐさ」も歯を磨いたことからきているそうですよ。

また、干した茎は「木賊/もくぞく」と呼ばれる生薬として用いられ、
止血などの漢方薬や、その煎液を飲用すると目の充血や涙目に効果があるといわれており、
トクサを「木賊」とも書くのはここからきています。

学名の「Equisetum/ラテン語で馬のこわ毛」と英名の「Horsetail 馬のしっぽ」は、
仲間の杉菜が馬のこわ毛に見立てて名付けられたそうです。

トクサは約3億年前の古生代石灰紀に繁栄し、石灰のもとになった植物の子孫ということで、
日本では本州の中部以北と北海道に自生し、沢沿いの林などの湿地に群生しています。

地中を横にはう「地下茎」と直立する「地上茎」があり、どちらにも「節/せつ」があり、
葉が退化した「葉鞘/ようしょう(はかま)」がついています。
地上茎は中空で、表面には縦に走る「稜/りょう」があります。

茎の先端に、胞子の入った「穂」(胞子嚢穂/ほうしのうすい)がついており、熟すと黄色くなります。
シダ植物のトクサは、花を咲かせず胞子で増えます。

同じトクサ科トクサ属で「杉菜/スギナ」があり、
スギナと「土筆/ツクシ」は地下茎でつながっている同じ植物です。
スギナは葉をつけて光合成をする部分(栄養茎)、ツクシは胞子を作る部分(胞子茎)で食用になっています。

今回はトクサを使って、侘び寂びのあるアレンジを作ります。

<POINT>
・茎の線(稜)と節の模様を生かしてアレンジしましょう。
・折り曲げて使うこともできます。
 折り曲げるのは折れやすい節ではなく、節と節の間を曲げます。
 三角形を作る場合は、ワイヤーかラフィアなどの紐で結びます。
 茎を切り、先端をその中空に差し込んで固定させることもできます。
・中空に固めのワイヤーを差し込めば、複雑な形を作ることもできます。

yoshimi furuya


     暮らしの花をセンスアップ*flourish