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2016年2月21日(日) 花桃 曙
 今月後半のテーマ花材は桃です

科 名 バラ科 サクラ属 落葉低木
学 名 Prunus persica
英 名 Peach
和 名 桃、花桃(ハナモモ)
原産地 中国、(日本)
花 期 3月~4月
出回期 1月~3月(旬2~3月)
水あげ 1cmほど切り戻し、普通の水(水道水)で水揚げ。
 暖房器具などの風は乾燥しやすいので花芽に直接当たらないようにします。
 幹やつぼみの部分を霧吹きで湿らせると、より長く楽しむことができます。

花 色 ピンク、白、紅色

<POINT>

・霧吹きをかけると蕾も咲きます。乾燥に弱いので注意しましょう。
・枝の表、裏をよくみてアレンジしましょう。
・カットするときは斜めに切り、タテに割を入れるとよく水を吸います。
・矯めをきかせることはできません。


・伝説

中国では桃は子孫繁栄をもたらす霊木で、実は不老長寿の仙薬とされる伝説があります。
仙木・仙果(神仙に力を与える樹木・果実の意)とも呼ばれ、
邪気を祓い、不老長寿を与える植物として親しまれています。
日本の桃太郎伝説もこの信仰に基づいているといわれています。

俗世を離れた理想郷は桃の花が咲き乱れる「桃源郷」とした物語もあります。

桃の花びらを浮かべた桃花酒(とうかしゅ)を飲むとどんな病でも治ると信じられ、
雛壇の最上段、内裏びな二人の間の三方飾りはこの桃花酒だそうです。


・ヨーロッパや日本への渡来

ヨーロッパには古い時期に中東を経由して渡り、
ペルシア起源と考えられることから「ペルシアのリンゴ」と呼ばれ、
学名のペルシカや英名のピーチの由来になっています。

日本への渡来の歴史も古く、日本に自生していたという説もあり、
弥生時代の遺跡に桃の核がみつかることもあるそうです。

奈良時代に観賞用となり、
江戸時代に五節句のひとつとして重要な行事のひとつとして飾られるようになりました。
日本や中国でこの花を若い女性にたとえたことから、
ひな祭りの花として飾られるようになったともいわれています。


・ひな祭りのはじまり

日本では平安時代に、上流階級の女の子の間で「ひいな遊び」といって、
紙で作った人形と身の回りの品に似せて作ったおもちゃの家財道具を使うままごと遊びが
盛んに行われていました。

江戸時代には宮中行事としてひな祭りが取り入れられ、幕府の大奥でも取り入れられました。

その後、庶民にも親しまれ、女の子の初節句に健やかな成長を願い、
花桃と一緒に人形を飾ってお祝いするという形が定着しました。

明治以降になるとひな祭りは農村にまで普及し、現在にいたっています。


・桃の特徴

梅は芽が発達しないで細かく折れ曲がりますが、
桃は枝の頂端の芽が発達して枝がすんなり伸びるのが特徴です。

栽培品種も多く、園芸品種は「花桃」と呼ばれ、果実と区別しています。

切り花としては、八重咲きで早咲きの品種を使い、
桃の節句に間に合うように、温室で開化を促進させて出荷しているそうです。



*花桃 曙 について*

香川県の花木農家、福家さんによって作られる「花桃曙(はなももあけぼの)」。
関東でよく目にする「矢口桃」と関西で主流の「桜桃」を交配して作られた
福家さんのオリジナル品種です。

ツボミや花が落ちにくいこと、花色の鮮やかさが長く楽しめること、きちんと咲くこと、
艶やかでなめらかな木肌が特徴です。

水揚げがよく、花落ちが少ないので花が開花していくようすを楽しむことができます。

農薬や化学肥料、水揚げ剤も使わず、自然な状態で作っています。
また、出荷をする際には徹底した品質管理を行っているのが特徴です。

1. 規格を整え、選別した桃を3本ずつの束にまとめる
2. 木の状態にあわせて約3日、常温でしっかり水を吸わせる
3. 一度冷蔵庫で冷やす
4. 再び常温で2日おく
5. 最後に温室で1〜2日ふかす
6. 出荷

品種そのものの特性と、福家さんの強いこだわりと徹底した品質管理によって
良質な桃を作りだすことができているそうです。


香川県の丸福清花園

http://www.otakaki.co.jp/blog/place/archives/2011/02/25.html


yoshimi furuya


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