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2016年3月1日(火) ひな祭りについて
もうすぐひな祭りですね。
女の子の健やかな成長を願うひな祭りが
そもそもなぜ3月3日なのかというところからまとめてみました。

調べていくうちに、昔の人たちが四季のめぐりと自然を日々の暮らしに取り入れて
共存しながら過ごしていたことが、しみじみと伝わってきました。
長くなってしまいましたが(これでもまとめたつもり・・)
ぜひ、最後まで目を通していただけたらと思います。
みなさんはなにを感じるでしょうか。


【五節句】

季節の変わり目にあたって祝い事をする日を「節日」(せちにち)といい、
そのなかでも重要な節日を「五節句」といいます。

古代中国には、節日には旬の植物から生命力をもらって邪気を祓う習わしがありました。
そのため、日本にも五節句には特別なごちそうをいただく風習があります。

 1月7日 「人日の節句」(じんじつ) 七草粥
 3月3日 「上巳の節句」(じょうし) 桃花酒(とうかしゅ)や白酒
 5月5日 「端午の節句」(たんご) ちまき、柏餅
 7月7日 「七夕の節句」(しちせき) 素麺
 9月9日 「重陽の節句」(ちょうよう) 菊酒

ただ、季節を知る目安の五節句も、旧暦から新暦へ移行する際、
日付をそのまま移動したために実際の季節とは合わなくなってしまいました。
旧暦の3月は新暦の4月にあたり、新暦で桃の節句を祝うと
桃が咲く季節にはまだ早いため、節句にまつわる祭りは旧暦で行う地域もあります。



【上巳の節句】

旧暦3月上旬の巳の日(3月3日)に行われ、
「桃の節句」「女の子の節句」ともいわれています。
★なぜひな祭りに桃の花を飾るのかは「花桃 曙」に掲載しています。
http://www.flourishj.com/blog/entry-b1891.html



【ひな人形】

古代中国では上巳は邪気にみまわれやすい忌日(いみび)とされ、
川で身を清めて不浄を祓う習慣がありました。
これが日本に伝わり、平安時代には紙で作った人形に穢れを託して川に流す風習が生まれました。
この紙人形が、貴族の子どもたちが人形を飾って遊ぶ「ひいな遊び」となり、
江戸時代には現在の「雛人形」になったといわれています。
また、紙の人形を川に流す風習は「流し雛」として各地に残っています。

雛人形を飾るのは立春過ぎから、ひな祭りの1週間前くらいを目安に。
季節の節目という意味から、3月3日の翌日には片付けるのがよいでしょう。



【ひな膳】

お祝いは3月3日当日に行うのが一般的ですが、
前の晩に行う「宵節句」(よいぜっく)もあります。
白酒などのお供え物と、ちらし寿司と蛤のお吸い物をいただきます。


・白酒
蒸したもち米に麹とみりんを加えて熟成させたお酒。
桃の節句に飲むと邪気を祓うといわれている。


・蛤のお吸い物 
貝殻がぴったりとあわさる二枚貝はほかの貝とは決して合わないことから
一夫一婦の願いが込められている。
汚れた海には住まないことから純潔を意味するともいわれる。
開いた一つの貝に二つの身を入れるのがしきたり。


・ちらし寿司
平安時代、お祝いの膳に使った『なれ寿司』から伝わったといわれています。
魚介類など御飯を一緒に発酵させたお寿司の原型でしたが、見た目が美しくなかったため、
女の子の節句として華やかな春らしいちらし寿司になったといわれています。
縁起のよい具にはそれぞれに願いが込められています。

 えび・・長生き
 れんこん・・見通しがきく
 豆・・まめに働ける
 菜の花・・春らしさ



【雛菓子とひな祭りカラー】

・蓬餅(草餅)
古代中国では上巳の節句に母子草(ハハコグサ・春の七草のひとつ、御形/ゴギョウのこと)を入れた
お餅を食べる風習がありました。
それが日本に伝わり、母子草で母と子をついて餅にするのは縁起が悪いと
蓬(ヨモギ)を用いるようになりました。
蓬は香りもよく、香りがあるものには邪気を祓う力があるとされています。


・雛あられ
白色は「雪」、緑色は「木々の芽」、桃色は「生命」、ここまでは菱餅と同じですが
さらに黄色を加えて「四季」を表しています。

その昔、女の子たちが雛人形を持って野辺、川辺、磯へ出掛けて
お雛様に春の景色をみせてあげる風習があり(これを「雛の国見せ」といいます)、
その時に春のご馳走とともにひなあられを持っていったといわれています。
菱餅を外で食べるために砕いて作った、という説もあります。

そして、関東と関西では味も形も異なります。

 関東 
 米を爆(は)ぜて作ったポン菓子を砂糖などで味付けしており、甘い。
 「米をじかに炒って作る爆米(はぜ)という菓子が江戸で流行り
 『ひなあられ』と命名したから」など諸説あります。

 関西 
 しょう油や塩味など、餅からできた丸い形のあられ。
 もともと雛祭りにかかせない菱餅を砕いて炒ったのが始まりとされています。


・菱餅
江戸時代初期は蓬餅の緑に菱の実を入れた白い餅を組み合わせた緑と白の2色だけでした。
これを緑・白・緑の3段、あるいは5段にしていたようです。
菱の実には子孫繁栄と長寿の力があるとされており、菱の実の粉で作っていたそうです。

明治時代に入り、山梔子(さんしし・クチナシの実)を入れた赤が入って3色になりました。
赤は昔から魔除けの色とされ、おめでたい色や桃の花にも通じます。

菱形の形については「菱の実を模して菱型になった」「心臓の形を表した」
「四角を伸ばして長寿を祈願した」など諸説あります。

 ・赤(桃色)・・桃の花(生命)を表す 山梔子(クチナシの実)入り/魔除け・解毒作用
 ・白・・純白の雪を表す 菱の実入り/子孫繁栄、長寿・血圧低下
 ・緑・・新緑を表す 蓬入り/厄除け・増血作用


3色を重ねる順番によって春の情景を表現
 ・下から緑・白・赤 “雪の下には新芽(蓬)が芽吹き、桃の花が咲いている”
 ・下から白・緑・赤 “雪の中から新芽(蓬)が芽吹き、桃の花が咲いている”


yoshimi furuya


*参考文献* 
暮らしの歳時記ガイド/三浦康子、『おうち歳時記』(成美堂出版)
『季節の行事と日本のしきたり』(新谷尚紀/毎日コミュニケーションズ)


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