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2017年3月14日(火) パンジー
今月前半のテーマ花材はパンジーです。

科 名 スミレ科 スミレ属 一年草または二年草
学 名 Viola × wittrockiana(ウィトロッキアナ)
英 名 Pansy、Garden pansy、Heartsease
和 名 三色菫(サンシキスミレ)、人面草(ジンメンソウ)、遊蝶花(ユウチョウカ)、胡蝶草(コチョウソウ)
原産地 ヨーロッパ(ポーランドの国花)、西アジア
花 期 11月~5月
出回期 11月~3月(旬/2~3月)
水あげ 水切り
花 色 赤、ピンク、黄、オレンジ、青、紫、黒、白、複色など
花の形態 マスフラワー

【名前の由来】
花の模様が人間の顔に似ていて、深く考えごとをしているように前に傾くところから
フランス語の「Pensée(パンセ/思い・考え)」にちなんでパンジーと名づけられました。
パンジー全般の花言葉「もの思い」「私を思って」もそこからきています。

和名のサンシキスミレは黄・青・紫や黄・紫・白など、
それぞれ3つの色を使った花が多いため、付けられた名前です。
また、日本に来たばかりのころは「人面草」「遊蝶花」とも呼ばれていて
漢字を見るだけでわかりますが「人の顔に似ていること」や
「蝶が遊ぶ花」であるところに由来しています。

【歴史】
基本的に野生種はなく園芸品種として交雑によって作られたパンジーは
19世紀のはじめ1813年頃、イギリスで園芸家のトンプソンによって
ヴィオアラ・トリコロールを原種として改良された品種が
パンジーの最初とされています。花は大きく、縦長の形が丸くなって花色も増えて
現在見られるパンジーと同じような姿になりました。
1830年代には数百種にのぼる品種を作り出したと言われています。

19世紀末にはフランスやオランダ、ドイツでも改良がされるようになり、
ブロッチ(花の中心に入る黒い目)のある品種がフランスで生まれました。
色や姿もさらに増え、花もさらに大きくなり、
中輪系と呼ばれるタイプのパンジーはこの頃にできました。

20世紀に入るとアメリカやスイスが改良をリードし
スイスで作出された「スイス・ジャイアント」は8cmほどの大輪で
花色もカラフルなものが揃っていて、品種の入れ替わりの激しい中で
今でも変わらずタネが市販されている超ロングセラーの品種です。

20世紀はとかく大輪種が多く作られ、10cmを越す巨大輪種の「ジャンボ系」が作出されました。
日本では12cmに達する超巨大輪種のマジェスティック・ジャイアントが作出されましたが
時代の流れからか、巨大輪種は受けなくなり
現在は小~中輪でたくさんの花を咲かせるものが主流になっています。

日本に入ってきたのは江戸時代末の1864年頃で、一般に栽培されるようになったのは戦後から。
昭和30年代に園芸家を中心としたパンジーの会が結成され、
世界各地から様々なパンジーが収集されました。
昭和40年代に入ると種苗会社が本格的な育種を開始して、優良品種が数多く作出されるようになり
今も種苗会社や個人育種家によって多くの品種が作出され続けています。

現在は日本やイタリアで育種が進み、八重咲き種やたっぷりフリルの入るボリュームのある品種など
大輪種とは違ったゴージャスさのある品種、パステルカラーで個性的な花を咲かせる品種
など数々の優良な品種が生み出されているとのことです。
そして現在パンジーの改良をリードしているのは日本だそうです。

【花】
パンジーは、スミレ科・スミレ属に分類される一年草、または二年草で
花びらにブロッチ(花の中央部の黒い模様)があるのが特徴です。

品種は数千種を超えており、花色は単色、きれいに2色に咲き分けるもの、
ブロッチがあるものやないもの、様々な色の混じるもの、縁取りが入るものなどがあり、
花の形もフリルのついたものなど様々あります。
花びらの大きさも、巨大輪(10cm以上)、大輪(8~9cm)、
中輪(6~7cm)小輪(4~5cm)などがあります。

パンジーとよく似た植物に「ビオラ」がありますが、
どちらもスミレ科・スミレ属の植物で、同じ分類の仲間です。
パンジーとビオラは花びらの大きさによって見分けられ、
花びらが5cm以上なのがパンジー、4cm以下なのがビオラです。
ただ、花びらの見た目がほぼ同じため、
学者間でも違いの意見が分かれているほど区別が曖昧な植物でもあります。
また、「パノラ」とよばれるパンジーとビオラの中間に位置するサイズの品種もあるそうです。

開花期は10~5月の春咲きの草花でしたが、現在では秋咲きと冬咲きの品種もあり、
1年の中で夏以外の季節はいつでもパンジーの花が楽しめるようになっているそうです。

<POINT>
・切り花としては水揚げがよく丈夫なお花ですが、
 暖かい状態に弱いのでできるだけ涼しい所で飾ると長く楽しめます。
品質保持材を花瓶に入れて活けると花の寿命が伸びます。
・花びらが傷つくと黒くなるので丁寧に活けてください。
 茎も細いので注意が必要です。

花壇の女王と呼ばれるパンジーですが
最近、切花としてもよく見かけるようになりました。
今回はその独特な花色とフリフリの可憐な花姿のパンジーで
ナチュラルなリースを作ります♪


junko uji


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