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2019年10月10日(木) 花農家
先月、台風15号の被害で大きな被害を受けた千葉県の花農家の方々。私が知っている農家の方は、日々がんばって再建されています。

その一方で、昨日の東京新聞の記事には、廃業を決断した花農家の方のことが載っていました。


《東京新聞 10月9日の記事より一部抜粋》

石井さん家族は父親の代から60年、テッポウユリを育ててきた。ハウス10棟が倒壊し、出荷間近のユリ約5万株がなぎ倒され「何十年もやってきたことが吹っ飛んだ」。 一千万円ほどの見込んでいた収入源は断たれ、逆に10月中に支払い予定だった仕入れ済みの球根代などで一千万円の負債が残った。
ハウスを再建する場合、さらに数千万円が必要になる。

冷蔵庫に保管していた出荷直前の二千株のユリも、停電の影響で温度が上がって花が開き、売り物にならなくなった。

「融資を受けても返済に何年かかるのか検討もつかない。ばくだいな借金をしてまで続ける意味があるのか」と、廃業を決断。

職探しを始めたが、四十すぎで農業以外は未経験。どこも採用してくれないのではと焦りが募る。

石井さんのほか数軒の花農家が廃業するか検討中だという。


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比べものにはならないのですが、同じ生花を扱う者として身にしみるものがあり、心が痛みました。

・仕入れ済みの球根代で負債が残った
・温度が上がって花が開き、売り物にならなくなった

生花を扱う仕事の人なら
似たような経験を誰もがしていると思うのです。


・レッスンのためにお花を仕入れたが台風/大雪でレッスンは中止。仕入れた花材費は自己負担。
・仕入れた花材が、すぐにしおれてレッスンで使えない。返品もきかず自己負担。

などなど。。私にも経験あります。


花は生き物。
いろいろ注意していても、思わぬアクシデントがあります。
そこに自然災害も加わると、さらなる追い打ちに。。

めげそうになるときもあります。

しおれなくて使い回しのきくプリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワー(造花)だったら、こんな思いはしなくてすむのに、って思うこともあります。


だけど、やっぱり生花。生花なんです。

生きたお花が与えてくれるエネルギーの魅力にまさるものはなく、そのエネルギーに元気をもらって続けることができています。(プリザやアーティフィシャルにもそれぞれのよさがありますが、あくまでも私の好みで書いています)


だから、全然規模は違いますが、いえ、全然規模が違うからこそ、廃業を決断した花農家さんの気持ちも痛いほどわかります。

がんばって続けてください、とは言えません。

どうか新しいお仕事がみつかりますように
と願うばかりです。

そして、これまでありがとうございました。
そんな気持ちでいっぱいです。


なんでだろう、よくわからないけど、
なぜかこのことについて書いておきたかったので
長くなりましたが書きました。

続けていく花農家の方も、やめる方も
どちらの方々の未来もきっと明るいものだと信じています。



yoshimi furuya



     暮らしの花をセンスアップ*flourish